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お役立ちコラム

2019.08.23

消費税のことなら

いよいよ消費税が10%に引き上げられることになりました。消費税の増税は中小企業の経営に大きなインパクトを与え、その対応のしかたによっては、中小企業が生き残れるかどうかの瀬戸際になる可能性があります。消費税のことなら千葉県八千代市の税理士・公認会計士、高橋会計事務所にお任せください。

消費税の特徴としては、①法人、個人事業主のどちらでも消費税の納税義務がある、②消費税はあくまでも顧客から預かったお金、③赤字決算で法人税や所得税を払わなくても、消費税は納税する必要がある、といったことが挙げられます。

また、消費税の課税が原因となって、これからますます重要になってくる課題としては、次のようなことがあります。

① 消費税納税資金の確保
② 売上・利益の減少と消費税納税額の増加による資金繰り対策
③ 消費税の節税対策

このような消費税の諸課題に対して、税理士・公認会計士、高橋会計事務所ではお客様に対し、積極的なアドバイスと提案を行っています。

<消費税還付と消費税対策インフォーメーション>

Ⅰ 税金対策といえば消費税対策の時代

消費税が増税されると、その負担はもっぱら消費者にかかってくると考えられがちですが、消費税の増税によって需要が減少することになり、結果的に企業もその負担が強いられることになります。消費税の増税分を顧客に転嫁できる企業でさえも影響は避けられませんので、顧客に転嫁できない中小企業にとっては大きな負担になるのはもちろん、場合によっては死活問題にもなりかねません。

一方で、法人税の税率は、日本企業の国際競争力強化や外国企業の誘致といった理由で引下げが行われることになりそうです。そのため今後の税金対策、節税対策では、法人税よりも消費税がより大きなウェートを占めることになるのです。

消費税の納付額は、顧客より預かった消費税額から仕入れ等にかかる消費税額を控除して計算しますので、どのように計算しても基本的に同じ結果になると考えられがちです。つまり、企業が納付する消費税の負担を軽減することは基本的には出来ないと思われているようです。

確かに消費税では、法人税のように税額の計算に当たって工夫の余地は少ないといえます。しかしながら、消費税の計算でも、原則と特例があって、特例が選択できる場合には消費税の納税額が減少することも少なくありません。

また、消費税については法人税や所得税ほど馴染みがないため、単に知らなかったので不利な取扱いを受けてしまったといったことも少なくありません。特に消費税の取扱いが法人税や所得税と同じものだと思い込み余計な税負担をしてしまうこともあります。

そのほか消費税の計算では、企業会計や法人税とは別に行う必要があるため、原則通りに行うと手間がかかることも少なくありませんが、簡便方も認められていて、間便法を採用すると経理事務の省力化につながることもあります。

Ⅱ 消費税還付の上手なやり方

1 設備投資をしたときの消費税の還付

消費税の納付額は、売上に係る消費税額から仕入等に係る消費税額を控除することにより求められますが、常に売上に係る消費税額の方が大きいとは限りません。

設備投資をしたときなどは、仕入等に係る消費税額の方が大きくなり、控除不足額が生じることもあります。この場合には消費税の還付が受けられるのです。

2 輸出業者の消費税の還付

また、輸出を専業又はメインとする事業者も常に控除不足額が生じることになります。輸出業者についても消費税の還付が受けられます。

事業者は控除不足額がある場合には、消費税の確定申告義務がないときであっても、その控除不足額の還付を受けるための申告書を所轄税務署長に提出することができることになっています。

なお、還付を受けるための申告をするかどうかは事業者の判断に任されおり、還付申告をしなければ還付されることがないということになります。

3 免税事業者の消費税の還付

消費税の還付を受けることができるのは、課税事業者に限られています。免税事業者は売上げに係る消費税の納税義務が免除されるとともに、仕入税額控除を受けることはできませんし、還付申告をすることもできません。

しかし、これでは、免税事業者は、大きな設備投資をしたときなどは消費税で不利な取扱いを受けることになってしまいます。

そこで、免税事業者であっても課税事業者を選択する旨の届出をすることにより、課税事業者となることができます。この届出は、「消費税課税事業者選択届出書」を所轄税務署に提出することにより行ないます。これにより免税事業者も仕入税額控除が可能となり、還付を受けることができるようになります。

そこで免税事業者が大きな設備投資をするときは、この届出書を提出して課税事業者になっておけば、消費税の還付が受けられるようになるというわけです。

なお、免税事業者が消費税の還付を受けるために課税事業者になろうとするときは、次の点に注意する必要があります。

① 届出書の提出時期について
「消費税課税事業者選択届出書」の効力は、その届出書を提出した日の属する課税期間の翌課税期間から生じることになっています。
したがって、例えば、大きな設備投資をする場合などは、その設備投資をする事業年度が開始する前に届出書を提出する必要があります。設備投資をする事業年度が始まってしまってからでは間に合わないということになります。

② 2年間は課税事業者となること
いったん課税事業者を選択すると、2年間継続した後でなければ免税事業者に戻ることはできませんので、この点をよく考慮しなければなりません。
設備投資をした事業年度の売上げに係る消費税と仕入等に係る消費税だけでなく、翌事業年度の売上げに係る消費税と仕入等に係る消費税も考慮して、課税事業者を選択するかどうかを判断する必要があります。
なお、免税事業者に戻るためには、「課税事業者選択不適用届出書」を提出しなければなりません。この届出書も提出した日の翌課税期間からその効力が生じることになります。

4 簡易課税選択適用者が設備投資をしたときの消費税の還付

課税事業者は、売上げに係る消費税から仕入等に係る消費税を控除することができ、控除不足額がある場合は、その還付を受けることができます。

しかし、簡易課税制度を選択している場合には、消費税の還付ということはありえません。簡易課税制度では、実際の課税仕入れに係る消費税額によらず、課税売上げに係る消費税額を基に仕入控除税額を計算することになるからです。

つまり、簡易課税制度を選択している事業者についても、そのままでは消費税の還付を受けることはできません。したがって、簡易課税制度を選択している事業者が大きな設備投資をする場合で、消費税の還付を受けたいときは、簡易課税制度の選択を取り止める必要があります。

簡易課税制度の選択の取り止めは、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を所轄税務署長に提出することにより行ないます。この届出書は簡易課税制度を取り止めようとする期間の前日までに提出する必要がありますので注意して下さい。

5 消費税の還付を受けるときの課税期間の短縮

消費税の計算をする際の基礎となる課税期間は、個人事業では1月1日から12月31日までの暦年、法人ではその法人の事業年度とするのが原則です。

消費税の還付申告をするのは、個人事業者では翌年の2月15日から3月31日までの間、法人では事業年度終了後2ヶ月以内で、実際に還付されるのはそれからさらに1~2ヶ月程度後のことになってしまいます。   

そのため事業年度の初めに大きな設備投資をした場合、消費税が還付されるのは1年以上も先のことになってしまいます。これでは資金負担が容易ではありません。

そこで、還付を少しでも早く受けたいというときには、消費税の課税期間を短縮して早期に還付を受けるという制度が設けられています。課税期間は暦年又は事業年度とするのが原則ですが、3ヶ月又は1ヶ月に短縮することもできるのです。

課税期間を1ヶ月に短縮してしまえば、1ヶ月ごとに消費税の申告をすることになり、1月に設備投資をした場合には、3月に還付申告をすることができます。課税期間が1年の場合と比べると、最長で 11ヶ月も早く消費税の還付が受けられるというわけです。

課税期間を短縮しようとするときは、短縮しようとする課税期間が始まる前日までに、「消費税課税期間特例選択・変更届出書」を所轄税務署に提出する必要があります。この届出があると、法人では事業年度開始の日以後3ヶ月又は1ヶ月ごとに区分した期間が課税期間となります。

例えば、事業年度が4月1日から翌年3月31日までの法人が課税期間を1ヶ月に短縮する届出書を6月15日に提出すると、4月1日から6月30日までが一つの課税期間となり、7月からは1ヶ月単位の課税期間となります。

もっとも、課税期間を短縮すると、還付を受けるときは都合がいいのですが、その後に消費税を納付するようになると、3ヶ月ごと又は1ヶ月ごとに消費税の申告をしなければなりませんので手間がかかってしまうという煩わしさが残ります。

そして、この届出により課税期間を短縮してしまうと、2年間は取り止めることができませんので注意して下さい。

課税期間の特例選択を取り止めるためには、「消費税課税期間特例選択不適用届出書」を所轄税務署長に提出しなければなりません。
 
6 消費税の還付を受ける事業年度の経理方式

消費税の経理方式には、税込経理方式と税抜経理方式があります。税込経理方式は経理処理が簡便というメリット、税抜経理方式は法人税又は所得税の節税につながるというメリットがあり、一般的には、どちらを選択するかは事業者の都合により判断すべきこととなります。

ただし、設備投資をして消費税の還付申告をする事業年度では、税抜経理方式を採用すべきです。税込経理方式では、還付税額を雑収入として処理しなければなりませんが、税抜経理方式では仮払消費税の取り戻しとして処理することができ、雑収入に計上する必要がないからです。

Ⅲ 消費税対策

消費税の節税、消費税の還付など消費税対策を、次のように消費税の有利選択というかたちにまとめました(各項目の詳細については、税理士・公認会計士高橋敏則著「消費税/有利選択の実務」(税務研究会刊)を参照してください。) 。

★資産の譲渡等をめぐる有利選択★
1 資産の譲渡等の時期
2 長期割賦販売等に係る資産の譲渡等の時期
3 長期請負工事に係る資産の譲渡等の時期
4 外注先への原材料の支給方法
5 預り収受又は立替払いする配送料の処理
6 個別消費税は区分記載する
7 役員に対する資産の無償譲渡又は無償貸付け
8 委託販売における販売手数料の処理
9 対価が確定していない場合の見積処理
10 返品、売上値引、売上割戻しの経理処理
11 売上げに係る対価の返還等の計上時期の選択
12 非課税となる土地の貸付け
13 非課税となる住宅の貸付け
14 国内売上げか輸出売上げか
15 土地と建物を一括譲渡した場合の区分
16 現物給与の支給

★ 課税仕入の対象をめぐる有利選択★
1 人材派遣の利用
2 企業グループ内で出向とするか派遣とするか
3 給与として支給するか外注とするか
4 旅費規程による宿泊費、日当等の支給
5 所得税の非課税限度額を超える通勤手当の支給
6 食事は手当を支給するか現物を支給するか
7 寄附は金銭でするか物品でするか
8 販売奨励金等の支払い
9 印紙・証紙の購入先の選択
10消費者、免税事業者からの購入も課税仕入れ

★仕入税額控除の時期をめぐる有利選択★
1 未成工事支出金の仕入税額控除の時期
2 出来高検収をしている場合の仕入税額控除の時期
3 人的役務の提供だけを目的とする外注費の仕入税額控除の時期
4 建設仮勘定の仕入税額控除の時期
5 郵便切手類の仕入税額控除の時期
6 物品切手等の仕入税額控除の時期
7 前渡金、前払費用の仕入税額控除の時期
8 リース資産の仕入税額控除の時期

★仕入税額控除の計算をめぐる有利選択★
1 課税売上割合は95%以上に
2 個別対応方式か一括比例配分方式かの選択
3 中間申告における個別対応方式と一括比例配分方式の選択
4 課税売上割合に準ずる割合の選択
5 たまたま土地の譲渡があった場合の課税売上割合に準ずる割合
6 仕入に係る対価の返還等を受けた場合の経理処理
7 課税売上割合が著しく変動した場合の仕入控除税額の調整と対応策
8 課税業務用から非課税業務用に転用した場合の仕入控除税額の調整と対応策
9 免税事業者が課税事業者になった場合等の棚卸資産に係る消費税額の調整

★仕入税額控除のための帳簿・請求書等をめぐる有利選択★
1 帳簿及び請求書等の保存の意義
2 帳簿及び請求書等の記載のしかた
3 帳簿の簡略な記載
4 領収書等の簡略な記載
5 領収書が取れないときの対応
6 仕入明細書等の利用

★中小事業者の特例をめぐる有利選択★
1 小規模事業者の納税義務の免除適用
2 資本金1000万円未満の法人設立
3 個人事業者の法人成り
4 原則課税又は簡易課税の選択
5 簡易課税制度の選択適用上の留意点
6 簡易課税制度選択届出書等の提出に係る特例適用
7 災害等による消費税簡易課税制度選択不適用届出に係る特例適用
8 兼業で1業種の課税売上高が75%以上の場合の特例
9 兼業で2業種の課税売上高で75%以上になる場合の特例
10 業種ごとの課税売上高の区分
11 原材料の無償支給を受けるか自ら調達するかによる事業区分
12 売掛金から差し引かれる銀行手数料の処理
13 賃貸建物の現状回復費用の処理

★消費税の申告・納付・届出をめぐる有利選択★
1 消費税の申告期限と災害等による申告期限の延長
2 中間申告における前課税期間基準又は仮決算の選択
3 中間申告書を期限までに提出しなかった場合
4 中間申告における個別対応方式と一括比例配分方式の選択
5 申告書の提出を失念した場合の救済措置
6 郵送による申告書、届出書の提出

★消費税の還付をめぐる有利選択★
1 消費税の還付申告
2 中間納付の控除不足額がある場合の還付
3 免税事業者の消費税の還付
4 新規開業者の消費税の還付
5 輸出業者の消費税の還付
6 過去2年以上課税資産の譲渡等がない場合における事業開始の日
7 簡易課税選択適用者が設備投資をしたときの消費税の還付
8 課税事業者選択届出書の提出時期の特例適用
9 消費税の還付を受けるときの課税期間の短縮
10 消費税の還付を受けるための届出を失念した場合の対応
11 簡易課税制度を適用したままでの消費税還付
12 居住用アパートの建設による消費税の還付

★消費税の会計処理をめぐる有利選択★
1 税抜経理方式又は税抜経理方式の選択
2 期末一括税抜方式の適用
3 税抜経理方式での処理の選択
4 個人事業者の税込経理方式と税抜経理方式の併用
5 簡易課税事業者の税抜経理方式の選択
6 納付消費税の計上時期の選択
7 還付消費税の計上時期の選択
8 課税売上割合を80%以上に
9 控除対象外消費税の損金経理又は資産計上の選択
10 控除対象外消費税の取得価額算入又は繰延消費税処理の選択

★印紙税・源泉所得税との関係をめぐる有利選択★
1 印紙税における消費税等の区分記載
2 消費税等の額に対する源泉徴収
3 消費税等の法定調書への記載方法

Ⅳ 増税時に想定される課題

消費増税によって企業は多くの経営課題に直面することになりますが、そのうちとしては次のようなものがあります。

① 経過措置の適用
② 税率アップに伴う価格転嫁
③ 価格表示の変更
④ 得意先、仕入先との価格交渉
⑤ 会計システム、販売仕入システムの変更
⑥ 各種契約書の見直し

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